台風19号に思う

1012日に伊豆半島に上陸した台風19号は東日本の広い範囲に記録的な災害をもたらした。114日現在、全国で90人死亡、5人行方不明。堤防決壊が71河川、越水を含めた氾濫河川は200を超えると報告されている。テレビ・新聞等では連日被害状況が報道されているが、今後の街づくりと、自然災害の多発への対応、について少し考えてみたい。

 

 政府や自治体がコンパクトシティという概念で街づくりの見直しを始めて、10年以上になる。中心市街地の衰退に歯止めをかけることも一つの目的であったと聞くが、現実には、一向に街づくりが変わったことを実感できない。近年の頻発する水害の影響を加味した「ハザードマップの見直し」とこの「コンパクトシティの考え」を融合した新たな街づくりはできないものだろうか、ハザードマップには河川氾濫と土砂崩れの両方のエリアを示し、現在の居住地から望ましい居住地へ住民を誘導するのである。

 

平野部が狭く、山間地の多い日本の国土では、居住に適した場所は限られるに違いない。人口減少が進む今日の日本ではあるが、既存の街は自動車で移動することを前提として成り立っているので、街の縮小はなかなか進まない。また、人口減少を少しでも食い止めようと、コンパクトシティとは逆向きの施策をとる自治体もあると聞く。

 

 いろいろ乗り越えるべき課題はあるだろうが、この大災害を災害に強い街づくりを考える契機とするべきである。居住区域を街の高台の中心に、工業や農業用地をそのまわりに、さらにその外の低湿地に余暇のための用地を配置するなど、ハザードマップをもとに、再配置する・・・まるで、夢のようなことを考えているが、今回の災害の犠牲者の死を無駄にはできないと思うからである。